また、ガスに変更すれば必ず燃料費が安くなるとは限りません。都市ガスかLPガスか、給湯の使用量、追いだきや暖房の有無、選ぶ機器の効率によって月々の費用は変わります。初期工事費と燃料費を分けて比較し、既存の灯油ボイラーの修理・継続使用も含めて判断することが大切です。
まず確認したい結論
灯油ボイラーからガス給湯器への交換は可能です。ただし、ガス供給の確認、ガス配管、給排気、給湯・追いだき配管、灯油タンク撤去などが必要になりやすく、既存ガス給湯器の標準交換費用はそのまま当てはまりません。
灯油ボイラーからガス給湯器への交換は可能。ただし本体交換だけではない
灯油ボイラーからガス給湯器へ変更する工事は可能です。ただし、同じ場所に新しい給湯器を置いて接続するだけの工事とは限りません。灯油ボイラーは灯油タンクや灯油配管を使いますが、ガス給湯器にはガスの供給配管、機器に適した給排気設備、機種によってはドレン排水が必要です。
そのため、見積もりでは給湯器本体の価格だけで判断せず、現在の石油給湯器がどのタイプか、新しい機器をどこに設置するか、都市ガスまたはLPガスを利用できるかを確認します。交換の可否は、給湯器の型番だけでなく、敷地内の配管と設置条件で決まります。
急いでお湯を使いたい場合でも、ガス転換は供給確認や配管工事を伴うため、必ずしも即日完了できるとは限りません。故障中は、修理で一時的に使い続ける案と、ガス転換の見積もりを並べて検討すると判断しやすくなります。
最初に確認するのは都市ガスかLPガスか
ガス給湯器への変更を考えたら、まず自宅でどのガスを使えるかを確認します。都市ガスの供給区域内でも、敷地や建物まで引き込まれているとは限りません。前面道路のガス管、敷地内への引込、宅内配管の有無によって、必要な工事が変わります。
都市ガスが利用できない地域では、LPガスを選択肢にできます。ただし、都市ガスとLPガスでは料金体系や供給設備、配管工事の条件が異なります。「ガスにすれば安くなる」と先に決めず、都市ガスとLPガスを分けて、初期費用と使用後の燃料費を比較してください。
業者へ相談するときは、住所だけでなく、現在ガスを使っている設備があるか、ガスメーターが設置されているか、敷地内にガス配管が見えるかを伝えると確認が進みます。都市ガスの引込が必要な場合は、給湯器業者だけでなく、供給事業者側への確認が必要になることもあります。
現在の灯油ボイラーの種類と、変更時に必要になりやすい工事
見積もり前には、石油給湯器が「給湯のみ」「追いだき付き」「暖房兼用」のどれかを確認します。給湯のみなら給水・給湯配管が中心ですが、浴槽の追いだき機能がある場合は、浴槽と給湯器をつなぐ追いだき配管も確認が必要です。暖房兼用機では、床暖房や温水暖房の配管を新しい機器で維持できるかが判断材料になります。
同じガス給湯器でも、給湯専用、ふろ給湯器、暖房機能付きなどで接続方法が異なります。現在使っている機能を落とさず交換するのか、追いだきや暖房を使わない構成に変えるのかを先に決めておくと、機種選びと見積もりの比較がしやすくなります。
| 確認する設備 | 見積もりで見る内容 |
|---|---|
| 給湯のみ | 給水・給湯配管、電源、リモコン、設置方法 |
| 追いだき付き | 浴槽との追いだき配管、循環金具、リモコン |
| 暖房兼用 | 暖房配管、暖房能力、既存暖房を継続するか |
| 灯油タンク | 残油処理、タンク撤去、灯油配管の処置 |
灯油タンクと灯油配管の撤去
灯油ボイラーを撤去する場合、屋外の灯油タンクを残すのか、撤去するのかを決めます。撤去する場合は、タンク内の残油処理、タンク本体の搬出、灯油配管の処置などが見積もり項目になります。タンクを使わなくなっても、残油をそのままにしたり、配管を放置したりしないよう、施工業者へ処理方法を確認してください。
タンクの設置場所が狭い、搬出経路に段差がある、基礎や固定金具があるといった条件では、撤去方法が変わる可能性があります。灯油タンク撤去費は給湯器本体の標準交換費に含まれるとは限らないため、見積書で分けて確認することが重要です。
ガス配管と給湯・追いだき配管
都市ガスやLPガスを給湯器まで供給するため、ガス引込や宅内配管が必要になることがあります。既存の灯油配管をガス配管として流用できるとは考えず、ガスの種類と機器に合った配管を新たに確認します。給水・給湯配管も、給湯器の位置を変える場合は延長や保温、凍結対策が必要になることがあります。
追いだき付きにする場合は、浴槽側の循環金具や追いだき配管の状態も確認します。古い配管を再利用できるケースがある一方、接続位置や配管経路が合わず、交換や延長が必要になる場合もあります。既存配管を使えるかどうかは、現地の接続状況を見て判断します。
設置場所と給排気
現在の石油給湯器が据置型でも、ガス給湯器を同じ場所に置けるとは限りません。屋外壁掛け、屋外据置き、屋内設置など、機器の設置方式に応じて必要なスペースや排気条件が異なります。屋内設置や排気筒を伴う機種では、給気と排気の経路を含めた確認が特に重要です。
給排気設備に不備があると、一酸化炭素中毒につながるおそれがあります。屋内設置や排気筒を使う機器は、機器に合った給排気設備を確保し、必要な資格・技術基準に沿って施工できる業者へ依頼してください。
ガス配管や特定ガス消費機器、給排気部の工事には、工事内容に応じた資格や監督者が関わります。見積もり時は金額だけでなく、ガス配管、機器設置、給排気工事を誰が施工または監督するのかも確認しましょう。
エコジョーズを選ぶ場合はドレン排水を確認する
ガス給湯器を選ぶ際に、エコジョーズを候補にすることがあります。エコジョーズは高効率な一方、構造上ドレン水が発生するため、排水先の確保が必要です。灯油ボイラーからの交換では、既存の設置場所に排水経路がなければ、ドレン配管や排水方法の追加が費用要因になることがあります。
ドレン水をどこへ流すかは、給湯器の設置位置、近くの排水設備、配管の距離や勾配によって変わります。エコジョーズを希望する場合は、本体価格だけでなく、ドレン排水の部材と工事方法が見積もりに含まれているか確認してください。
エコジョーズにするかどうかは、効率だけでなく、排水経路と追加工事を含めて判断します。排水先を確保しにくい場所では、別の機種や設置方法を含めた比較が必要です。
費用は本体代と転換工事を分けて比較する
灯油ボイラーからガス給湯器へ変更する費用は、給湯器本体、リモコン、標準設置工事だけでは判断できません。灯油からガスへの転換では、ガスの引込・宅内配管、タンク撤去、給湯・追いだき配管、設置場所の変更、給排気、電源、基礎や壁の補修、エコジョーズのドレン排水などが追加項目になる可能性があります。
既設ガス給湯器の標準交換では、東京ガスが通常交換の基本工事費として税込40,700~69,300円を案内しています。ただし、これは既にガス給湯器が設置されている場合の標準交換の目安です。灯油ボイラーからガス給湯器へ変更する工事には、その金額をそのまま当てはめられません。
| 費用の区分 | 確認する項目 | 変動しやすい条件 |
|---|---|---|
| 機器関連 | 給湯器本体、リモコン、必要な部材 | 給湯のみ・追いだき付き・暖房兼用、エコジョーズかどうか |
| 灯油設備 | 残油処理、灯油タンク撤去、灯油配管の処置 | タンク容量、設置場所、搬出経路、配管の状態 |
| ガス設備 | ガス引込、宅内配管、ガスメーター関連 | 都市ガスかLPガスか、既存配管の有無、配管距離 |
| 給排水・追いだき | 給水・給湯配管、追いだき配管、電源 | 設置位置、配管の再利用可否、延長距離 |
| 設置・排気 | 給排気、基礎、壁補修、ドレン排水 | 屋外・屋内、排気筒、排水先、設置面の状態 |
見積書は「本体一式」のような表記だけでなく、撤去費、配管費、給排気費、排水費、処分費を分けてもらうと比較しやすくなります。複数社へ同じ写真と同じ希望条件を渡し、含まれる工事と別途になる工事をそろえて確認してください。
燃料費は都市ガス・LPガス・使用量を分けて考える
ガス給湯器へ変更した後の燃料費は、ガスの種類と契約条件で変わります。都市ガスとLPガスでは料金体系が異なり、同じガス給湯器でも、地域単価、給湯量、追いだきの頻度、暖房の使用状況、機器の効率によって月々の負担は変わります。
比較するときは、現在の灯油代だけでなく、直近の灯油使用量や購入頻度を確認します。そのうえで、都市ガスまたはLPガスの料金、基本料金、給湯器の機能、交換時の初期工事費を分けて整理します。燃料費だけでなく、初期費用を含めた総額で比較しないと、変更によるメリットを判断できません。
特に、灯油ボイラーで暖房も行っている家庭は、給湯だけをガス化するのか、暖房も含めて設備を変更するのかで比較条件が変わります。使用中の設備をすべてガスへ置き換えるのか、灯油設備を一部残すのかを明確にしてから見積もりを依頼しましょう。
見積もり前に準備したい写真と確認事項
現地調査を依頼する前に、現在の設備を具体的に伝えられるよう準備します。給湯器本体の型番ラベル、設置場所全体、給水・給湯・追いだき配管、リモコン、灯油タンク、タンクから給湯器までの灯油配管を撮影します。屋内設置なら、給気口や排気筒の周辺も写しておくと、設置条件を確認しやすくなります。
写真とともに、次の内容を伝えると見積もりの前提がそろいます。
- 現在の石油給湯器のメーカー名・型番
- 給湯のみ、追いだき付き、暖房兼用のどれか
- 給湯器の設置場所が屋外か屋内か、壁掛けか据置きか
- 都市ガスの利用経験や、敷地内のガスメーター・ガス配管の有無
- 灯油タンクを撤去するか、残油があるか
- エコジョーズを希望するか、ドレン排水の候補があるか
- 集合住宅・賃貸の場合は、管理組合や所有者への確認が必要か
見積もりでは、ガス配管と機器設置、給排気工事を誰が担当するか、必要な資格や監督体制があるかも確認します。金額が安く見えても、タンク撤去やガス引込が別途だと最終費用が変わるため、見積書の「含む・含まない」を一項目ずつ確認してください。
修理とガス転換のどちらを選ぶか
灯油ボイラーが故障したからといって、すぐガス転換に決める必要はありません。ガス転換は、ガスの供給確認、配管、機器設置、給排気、灯油設備の撤去などを伴います。使用開始までの期間や工事範囲が大きくなる場合があるため、修理で当面使えるかを確認しながら、転換の見積もりも取得する方法があります。
一方、灯油タンクの老朽化、灯油の補充負担、設置場所の制約、将来的に暖房方式も見直したいといった事情があるなら、ガス転換を設備全体の見直しとして検討できます。修理費だけ、または給湯器本体価格だけで決めず、今後の使用方法と撤去・配管を含む工事総額で判断してください。
変更前には、「利用できるガスの種類」「現在の給湯・追いだき・暖房機能」「設置場所と給排気」「灯油タンク撤去の要否」「ドレン排水の可否」を整理します。この条件と設備写真・型番をもとに、工事内容を項目別に記載した見積もりを取ることが、安全で比較しやすい進め方です。
集合住宅や賃貸住宅では、設置場所、外壁、共用部の配管、ガス方式の変更に管理組合や所有者の承認が必要な場合があります。自分だけで工事を進めず、契約書や管理会社の案内を確認してから業者へ相談しましょう。
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相談前に型番・タンク・配管の写真を確認
本体全体、型番ラベル、灯油タンク、送油管、配管、排気、設置スペースを撮影すると、修理・交換・追加工事の切り分けに役立ちます。
無理な分解や自己修理はしない
燃料、電気、水道、排気に関わる内部作業は無理に行わず、灯油臭、黒煙、異常燃焼、水漏れなどがある場合は使用を止めて専門業者へ相談してください。
相談から交換までの流れ
型番と設置状況を確認したうえで、交換機種・工事条件・費用を確認し、日程を調整して工事へ進みます。

よくある質問
灯油ボイラーからガス給湯器へ交換できますか?
交換は可能です。ただし、ガスの供給可否、都市ガスかLPガスか、ガス配管、設置場所、給排気、給湯・追いだき配管、灯油タンク撤去などを確認する必要があります。住宅ごとに工事条件が異なるため、現地調査を受けて判断します。
灯油ボイラーからガス給湯器への交換費用はいくらですか?
一律には決められません。給湯器本体やリモコンに加えて、灯油タンクの残油処理・撤去、ガス引込や宅内配管、給湯・追いだき配管、給排気、電源、基礎・壁補修、ドレン排水などが加わる可能性があります。既設ガス給湯器の標準交換費用をそのまま適用することはできません。
都市ガスとLPガスのどちらを選べばよいですか?
自宅で利用できる供給方法と、初期工事・料金体系を分けて比較します。都市ガスは供給区域や引込状況、LPガスは契約条件や配管工事の内容を確認する必要があります。燃料費が必ず安くなるとはいえないため、使用量を踏まえて判断します。
灯油タンクは必ず撤去しなければなりませんか?
ガス給湯器へ変更して灯油設備を使わなくなる場合は、タンクを残すか撤去するかを業者と相談します。撤去する場合は、残油処理、タンク本体の搬出、灯油配管の処置が見積もり項目になります。放置せず、処理方法と費用を確認してください。
エコジョーズへ交換するときの注意点は何ですか?
エコジョーズは構造上ドレン水が発生するため、排水先の確保が必要です。既存の設置場所で排水経路を確保できるかによって、部材や配管工事が変わることがあります。本体価格だけでなく、ドレン排水工事を含めて見積もりを確認します。
故障中なら修理とガス転換のどちらを先に検討すべきですか?
ガス転換は供給確認や配管・撤去工事を伴うため、すぐに完了できるとは限りません。修理で当面使えるかを確認しながら、ガス転換の見積もりも取得して、費用・工事期間・今後の使い方を比較すると判断しやすくなります。
交換・修理を決める前に確認したいこと
灯油ボイラーからガス給湯器への交換は可能です。ただし、ガス供給の確認、ガス配管、給排気、給湯・追いだき配管、灯油タンク撤去などが必要になりやすく、既存ガス給湯器の標準交換費用はそのまま当てはまりません。
最終的には、現在の型番・使用年数・設置状況・必要機能をそろえ、同じ条件で工事込み総額を比較すると判断しやすくなります。
給湯器・ボイラーの修理・交換を相談する
型番、症状、使用年数、設置場所が分かる写真があると確認が進めやすくなります。
参考にした情報
メーカー・省庁・自治体などの公式情報を中心に確認しています。
- gas.or.jp|公式情報
https://www.gas.or.jp/anzen/kisochishiki/kouji/確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- 経済産業省|公式情報
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2020FY/000288.pdf確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- 経済産業省|公式情報
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/lpgas/anzen_torikumi/file_itakujigyou/202403_hanbaijigyou.pdf確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- gas.or.jp|公式情報
https://www.gas.or.jp/anzen/kisochishiki/setsubi/確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- 経済産業省|公式情報
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/lpgas/anzen_torikumi/file_itakujigyou/2017fy_jikotyou.pdf確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- 経済産業省|公式情報
https://www.meti.go.jp/information/license/c_text04.html確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。







