ガス給湯器のガス代は、号数だけでは決まりません。主に「実際に使うお湯の量」「水道水から何℃上げるか」「湯はり・追いだきの回数」「給湯器の効率」で変わり、都市ガスかLPガスか、契約単価はいくらかによって請求額にも差が出ます。
4人家族では24号がよく選ばれますが、これは複数カ所で同時にお湯を使うための能力です。ガス代を抑えたい場合は、号数を先に決めるのではなく、現在の型番とガス使用量、同時使用の状況、設定温度、エコジョーズを設置できる条件を順に確認しましょう。
まず確認したい結論
ガス給湯器の月額ガス代を一律に「○円」とは示せません。料金単価に加え、湯量・給水温・設定温度・追いだき・機器効率が家庭ごとに異なるためです。20号から24号へ替えただけでガス代が上がるわけではありませんが、同時に多くのお湯を使えば使用量は増えます。エコジョーズは同じ量のお湯を作る際のガス使用量を抑えられる一方、ドレン排水などの設置条件確認が必要です。
ガス給湯器のガス代は「号数」より使った熱量で決まる
ガス給湯器のガス代を左右する中心的な要素は、号数ではなく、使ったお湯の量と水温を上げるために必要な熱量です。同じ40℃のお湯でも、給水温が低い冬は夏より大きな温度差を加熱する必要があります。シャワー時間が長い家庭、毎日湯はりをする家庭、追いだきや保温を頻繁に使う家庭ほど、必要な熱量は増えます。
一方、号数は給湯器が1分間に作れるお湯の量を表す能力です。号数が大きい機種でも、蛇口1カ所から少量のお湯を出しているだけなら、常に最大能力で燃焼するわけではありません。20号から24号に交換したことだけを理由に、毎月のガス代が一定額上がるとは判断できません。
ガス代を確認するときは、請求額だけでなく検針票などに記載されたガス使用量も見ます。ガス料金の単価や料金調整が変わると、同じ使用量でも請求額が変動するためです。
一般的な月額請求には、基本料金と使用量に応じた料金が含まれます。さらに、家庭によってはガスコンロやガス暖房の使用分も含まれるため、請求額の全額が給湯器のガス代ではありません。都市ガスとLPガスでも契約や料金体系が異なります。インターネット上の平均額だけで、自宅の給湯器が高い、安いと判断しないことが大切です。
自宅のガス代を把握する現実的な方法
まず、直近12カ月程度のガス使用量を並べ、夏と冬の差を確認します。前年同月との比較では、家族人数、在宅時間、入浴回数、ガス暖房の使用状況が変わっていないかも見てください。請求額が上がっていても使用量が変わっていなければ、給湯器ではなく料金単価の変化が主因かもしれません。
給湯器交換による節約効果を比較するときは、見積もりに記載された年間削減額の前提も確認します。想定する湯量、現在機種と交換機種の効率、ガス単価、基本料金を含むかどうかが不明な金額は、そのまま自宅に当てはめられません。基本料金や給湯以外のガス使用分まで一律に減るわけではない点にも注意が必要です。
最初に型番・号数・ガス種を確認する
ガス代の比較や交換機種の選定を始める前に、現在の給湯器を特定します。本体の銘板には、一般に型式や製造時期、使用するガスに関する表示があります。ただし、表示位置や記載方法は機種ごとに異なります。文字が消えている、銘板を安全な位置から確認できない場合は、無理に機器を動かしたりカバーを外したりせず、設置業者に確認を依頼してください。
相談前に確認しておくとよい情報
- 給湯器本体の型番と製造時期が分かる表示
- 都市ガスまたはLPガスの別
- 現在の号数と、給湯専用・湯はり・追いだきなどの必要機能
- 戸建ての屋外壁掛け、集合住宅のパイプシャフトなどの設置場所
- 台所・浴室リモコンの有無と表示されている型番
- エラー表示、温度変化、異音など現在発生している症状
型番の文字だけでなく、給湯器の正面全体、側面、下側の配管、排気口の周囲、設置場所から少し離れた写真を用意すると、交換条件を確認しやすくなります。集合住宅では扉やパイプシャフト内の収まり、排気の向きも重要です。写真だけで最終判断できない場合は現地確認が必要になりますが、最初の機種絞り込みや追加工事の洗い出しには役立ちます。
リンナイ製を含め、同じメーカーのガス給湯器でも、号数、給湯方式、効率、設置方法は型番によって異なります。「同じメーカーだからそのまま交換できる」とは限りません。現在と交換候補の仕様を型番単位で照合してください。
4人家族でも20号か24号かは同時使用で決める
号数は、水温より25℃高いお湯を1分間に何リットル出せるかを示す目安です。24号なら所定の条件で毎分24リットル、20号なら毎分20リットルに相当します。ただし、実際の出湯量は給水温、給水圧、配管の長さ・太さ・経路などにも左右されます。冬に水道水が冷たくなると、設定温度まで上げるための温度差が大きくなり、同じ号数でも出せる湯量は少なくなります。
| 使用状況 | 号数の考え方 | ガス代との関係 |
|---|---|---|
| 2人程度で、冬も2カ所の同時使用を想定 | 20号が検討目安 | 同じ湯量・温度なら、号数だけでガス代は決まらない |
| 4人程度で、冬に3カ所程度の使用を想定 | 24号が検討目安 | 同時使用によって総湯量が増えれば、ガス使用量も増えやすい |
| 家族が多くても単独使用が中心 | 人数だけで24号に決めず、必要流量を確認 | 能力を上げること自体は節約策にならない |
4人家族で24号が選ばれやすいのは、浴室のシャワー、台所、洗面所などを同時に使ったときの湯量不足を避けるためです。24号にすればお湯が出る勢いに余裕を持たせやすくなりますが、その結果として家族が同時に長時間使えば、家庭全体の湯量は増えます。つまり、号数は快適性の選択であり、ガス代の増減は実際の使い方まで含めて判断する必要があります。
交換時は「何人家族か」だけでなく、「冬の朝や夜に何カ所で同時に使うか」を伝えるのがポイントです。現在20号で湯量不足がなく、将来も使用状況が変わらないなら、人数だけを理由に能力を上げる必要があるとは限りません。反対に、シャワー中に台所でお湯を出すと温度や流量が不満になる場合は、給水圧や配管条件も含めて24号が適するか確認します。
設定温度と湯量はセットで見直す
お湯を作るのに必要な熱量は、基本的に湯量と温度差が大きいほど増えます。給水温が15℃で実際に40℃のお湯を使う場合、温度差は25℃です。同じ量を38℃で使えば温度差は23℃となり、単純な熱量計算ではそのお湯に必要な加熱量は約8%少なくなります。ただし、これは湯量が同じで、配管からの放熱や機器効率などを除いた計算です。毎月のガス請求額がそのまま8%下がるという意味ではありません。
設定温度を下げても、シャワー時間が長くなったり、ぬるさを補うために湯量を増やしたりすれば節約効果は小さくなります。また、高温のお湯に水を混ぜ、最終的に同じ温度・同じ量で使う場合は、設定表示だけを変えても必要な熱量が大きく変わらないことがあります。見るべきなのはリモコンの数字だけではなく、実際に使う温度と総湯量です。
負担の少ない順に見直す
- シャワーを流したままにする時間を短くする
- 洗面や洗い物で、お湯が不要な場面では水を使う
- 湯はり後の長時間放置を避け、入浴間隔をできるだけ空けない
- 追いだきや保温の回数を家族の生活時間に合わせて見直す
- 無理のない範囲で、実際に使う温度を下げる
浴槽のお湯を入れ直すほうがよいか、追いだきのほうがよいかは、残り湯の量と温度、給水温、給湯器の機能によって変わります。一律にどちらが安いとは断定できません。機種固有の節約運転や保温設定がある場合は、その型番の取扱説明書やメーカー案内で内容を確認してください。他機種の操作方法をそのまま当てはめないことが重要です。
給湯器をつけっぱなしにしたときのガス代と電気代
一般的なガス給湯器は、リモコンの運転スイッチが入っているだけで、常時ガスを燃やし続けるわけではありません。蛇口からお湯を出す、湯はりや追いだきを行うなど、燃焼が必要な動作をしたときにガスを使います。そのため、リモコンをつけっぱなしにしたことだけで、使用していない間も大きなガス代が発生するとは限りません。
一方、運転待機中には機種に応じた電力を消費します。自動保温、追いだき、配管を循環させる機能などが動作すれば、ガスと電気の両方を使う場合があります。消費電力や自動運転の条件は型番によって異なるため、正確な電気代は仕様表の待機時消費電力や各機能の動作条件を確認しなければ計算できません。
節約目的で電源プラグを抜いたり、給湯器に関係するブレーカーを切ったりするのは避けてください。寒い時期の凍結予防など、電源を必要とする保護機能が働かなくなるおそれがあります。長期間使用しないときの対応は、必ず該当型番の取扱説明書に従ってください。
ガス代を見直すなら、運転スイッチを頻繁に切り替えることより、シャワーの湯量、湯はり量、保温時間、追いだき回数を先に確認したほうが効果を把握しやすくなります。高温設定の誤操作や家族による意図しない使用を防ぐ目的でスイッチを切る場合も、機種の安全上の注意を確認して運用しましょう。
エコジョーズはガス使用量を抑えられるが設置条件がある
エコジョーズは、従来は排気とともに放出されていた熱を回収し、お湯を作るために再利用する高効率タイプです。同じ給水温、同じ設定温度、同じ湯量という条件なら、従来型より少ないガスでお湯を作れることが期待できます。お湯を多く使う家庭ほど、削減できるガス使用量の絶対量は大きくなりやすい一方、もともとの使用量が少ない家庭では、料金面の差も小さくなります。
「エコジョーズにすればガス代が一律に何%下がる」とは言えません。現在機種と候補機種の給湯効率、給湯に使っているガス量、契約単価、追いだきや暖房機能の利用状況が関係するためです。比較するときは、各候補型番の仕様に記載された効率を確認し、現在機種との差を見ます。カタログ上の最大ガス消費量は能力を示す数値であり、そのまま月間使用量になるわけではありません。
エコジョーズへ交換する前の確認点
エコジョーズでは、排熱を回収する過程で生じる水を排出するため、ドレン排水の経路が必要です。排水先まで配管できるか、適切な勾配や施工スペースを確保できるかを現地で確認します。現在の給湯器が従来型なら、同じ場所に本体を掛け替えるだけでは済まず、排水工事が追加される場合があります。
集合住宅のパイプシャフトでは、排水方法、機器寸法、排気方向、共用部分への施工可否が問題になります。建物ごとの改修ルールもあるため、管理会社や管理組合への確認を済ませてから機種を確定するのが安全です。設置可能と判断する前に本体だけを購入すると、排水経路や排気条件が合わず、予定した機種を取り付けられない可能性があります。
機器価格の差をガス代だけで何年で回収できるかを見る場合は、本体価格だけでなく、リモコン、排水工事、その他の追加工事を含めて比較します。省エネ性だけで決めず、現在の使用量と設置費用の両方を数字で確認することが大切です。
工事費込み価格は同じ交換条件にそろえて比較する
ガス給湯器の掲載価格が安く見えても、必要なリモコンや工事が別料金であれば、最終的な支払額は変わります。比較するときは、現在の型番と設置写真を提示し、同じ機能・号数・設置条件で工事費込みの見積もりを依頼します。号数や機能が異なる見積もりを並べても、正しい価格差は分かりません。
| 見積項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 給湯器本体 | 型番、号数、機能、ガス種、効率、設置方式 |
| リモコン | 台所・浴室用が含まれるか、必要な機能に対応するか |
| 標準工事 | 既存機器の取り外し、新機器の設置、接続、試運転の範囲 |
| 撤去・処分 | 既存給湯器の搬出と処分費が含まれるか |
| 追加工事 | 配管延長、排気部材、設置部材、ドレン排水などの内容 |
| 現地条件 | 高所、狭所、パイプシャフト、搬入経路、管理上の制限 |
見積書には「標準工事一式」だけでなく、追加費用が発生する条件も記載してもらうと安心です。写真確認だけの概算見積もりなら、現地確認後に金額が変わる可能性と、その対象項目を聞いておきます。また、ガス種の不一致や排気条件の誤りは安全に関わるため、価格を優先して適合しない機種を選ぶことはできません。
比較の順番は、希望価格から機種を探すのではなく、現在の型番と設置条件から適合機種を絞り、その後に工事費込み総額を見るのが基本です。そのうえで、従来型とエコジョーズ、20号と24号などの違いを比較すれば、必要な快適性と予算のバランスを判断しやすくなります。
異常がある場合はガス代比較より修理・交換判断を優先する
ガス使用量が急に増えたと感じたときは、生活の変化や気温だけでなく、給湯器の動作も確認します。お湯が出ない、設定温度に安定しない、以前と違う異音がする、エラーが繰り返される、追いだきができないといった症状がある場合は、節約方法を試す前に点検を依頼してください。
排気口周辺にすすが付いている、燃焼時の様子が明らかに普段と違う場合は、使用を続けず点検を依頼してください。ガス臭がする場合も火気や電気スイッチを操作せず、安全な場所から契約先のガス事業者などへ連絡します。
エラー表示が出た場合は、表示内容を記録し、現在の型番に対応した取扱説明書やメーカーの案内を確認します。リセット方法や表示の意味は機種ごとに異なるため、別メーカーや別型番の操作を流用しないでください。何度も同じエラーが出る場合は、表示だけを消して使用を繰り返すのではなく、点検が必要です。
家庭用ガス給湯器の設計上の標準使用期間は、標準的な使用条件で製造から10年が一つの目安です。これは10年間の故障しないことを保証する期間でも、10年を過ぎた日に必ず使えなくなるという意味でもありません。ただし、年数が進むほど複数箇所の劣化や再故障を考慮する必要があり、生産終了から時間が経った機種は補修部品がなく修理できないことがあります。
修理か交換かは、製造からの年数、故障箇所、修理見積もり、部品供給の状況、ほかの不具合の有無を並べて判断します。比較的新しく、部品があり、故障箇所が限定されているなら修理を検討できます。一方、標準使用期間の目安に近い機種で不具合を繰り返している場合や、修理費が高くなる場合は、交換後の効率と設置適合も含めて見積もると判断しやすくなります。
相談時には、型番・製造時期・症状・エラー表示・設置場所の写真をまとめて伝えてください。正常に使えていて交換を検討する場合も、号数の違い、エコジョーズの設置可否、必要機能、工事費込み総額の順に確認すれば、ガス代だけに偏らず、自宅に合う給湯器を選べます。
あわせて確認したい関連記事

設置タイプ別の工事費込み価格も確認
壁掛け、据え置き、マンションPS設置では交換できる機種や工事内容が異なります。既設給湯器に近い設置タイプを確認してください。
相談前に型番と設置写真を確認
本体全体、型番シール、リモコン、本体下の配管、設置スペースを撮影しておくと、修理か交換か、後継機や工事条件を確認しやすくなります。

無理な分解や自己修理はしない
ガス、水道、電気、排気に関わる内部作業は無理に行わず、異臭、ガス臭、水漏れ、異常燃焼などがある場合は使用を止めて専門業者へ相談してください。
相談から交換までの流れ
型番と設置状況を確認したうえで、交換機種・工事条件・費用を確認し、日程を調整して工事へ進みます。

ガス給湯器 ガス代でよくある質問
24号のガス給湯器に替えるとガス代は高くなりますか?
24号に替えたことだけで、ガス代が一定額高くなるわけではありません。号数は主に1分間に作れるお湯の量を示す能力です。同じ温度・同じ湯量を使うなら、ガス使用量は号数より必要な熱量と機器効率に左右されます。ただし、24号にして複数カ所で同時に多くのお湯を使うようになれば、家庭全体の湯量が増えてガス代が上がる可能性があります。
4人家族のガス給湯器は20号と24号のどちらがよいですか?
冬に浴室、台所、洗面所など3カ所程度の使用を想定する4人家族では、24号が一つの目安です。ただし、家族が順番に使い、同時使用が少ないなら20号で足りる場合もあります。人数だけでなく、現在の号数で湯量不足があるか、冬に何カ所で同時に使うか、給水圧や配管条件に問題がないかを確認して選びます。
給湯器の運転スイッチをつけっぱなしにするとガス代や電気代がかかりますか?
一般的なガス給湯器は、運転スイッチが入っているだけで常時ガスを燃やすわけではありません。ただし、待機中の電力は消費し、自動保温や追いだきなどが動けばガスと電気を使う場合があります。機種ごとの待機時消費電力や動作条件は仕様表で確認してください。節約目的で電源プラグを抜くと凍結予防などが働かなくなるおそれがあるため、行わないでください。
40℃設定を下げるとどのくらい節約できますか?
給水温が15℃で、同じ量のお湯を40℃から38℃へ下げる場合、単純な熱量計算では必要な加熱量は約8%少なくなります。ただし、これはそのお湯を加熱する熱量の比較であり、ガス請求額が8%下がるという意味ではありません。基本料金、給湯以外のガス使用、機器効率、湯量の変化があるためです。設定温度だけでなく、実際に使う温度とシャワー時間を一緒に見直してください。
エコジョーズはマンションのパイプシャフトにも設置できますか?
設置できる場合はありますが、すべてのパイプシャフトに取り付けられるわけではありません。本体寸法や排気方向に加え、ドレン排水の経路、共用部分への施工可否、建物の改修ルールを確認する必要があります。現在の型番と設置場所の写真を施工業者へ提示し、管理会社や管理組合にも確認したうえで候補機種を決めてください。
まとめ
ガス給湯器のガス代は、号数ではなく、湯量・給水温・実際に使う温度・追いだきや保温・機器効率・契約単価の組み合わせで決まります。4人家族の24号は同時使用に備える目安であり、号数を上げること自体がガス代の増減を決めるわけではありません。
交換を検討するときは、現在の型番とガス種、冬の同時使用、設置場所、エコジョーズのドレン排水可否を確認し、同じ条件の工事費込み見積もりで比較してください。異音、温度不安定、繰り返すエラー、すすなどがある場合は、節約より点検を優先し、製造時期と修理費を踏まえて修理か交換かを判断します。

給湯器の修理・交換を相談する
現在の型番、表示内容、症状、設置場所が分かる写真があると確認が進めやすくなります。

参考にした公式情報
確認日:2026-08-21。仕様・操作・価格・制度は機種や時期によって変わるため、詳細は各公式ページをご確認ください。











