そのため、「給湯器本体の価格+標準工事費」だけで判断するのではなく、既存のバランス釜をどの方式の給湯器へ替えるのか、追加工事がどこまで発生するのかを現地調査と見積書で確認することが大切です。
まず確認したい結論
バランス釜から給湯器へ交換する費用は、本体価格だけでなく、給排気部・浴槽・追い焚き配管・給水給湯配管・電源・屋外設置場所の工事範囲で大きく変わります。壁貫通型なら既存開口を活用できる場合がありますが、屋外設置型へ変更する場合は配管延長や浴室側の穴補修などが加わることがあるため、現地調査を前提に見積もりを比較しましょう。
バランス釜から給湯器へ交換する費用は本体だけでは決まらない
バランス釜から一般的なふろ給湯器へ替えるときは、給湯器本体、リモコン、撤去処分、取付工事を合計して考えます。ただし、バランス釜は浴槽と追い焚き配管、浴室の壁を貫通する給排気トップなどが関係する構造です。リンナイも、バランス式ふろがまは浴槽や追い焚き配管、給排気トップと一体で設置され、浴槽なしで機器だけを単独設置するものではないと案内しています。
このため、一般的な給湯器の同等交換で使われる「本体価格+基本工事費」を、そのままバランス釜からの交換総額として当てはめることはできません。交換費用の中心になるのは、どの給湯器を選ぶかだけでなく、既存の浴室内機器をどう撤去し、給湯器をどこへ設置するかです。
点火しない、ガスのような異臭がする、異音が続く、すすが付いている、給排気部や周辺に傷みがある場合は、使用を続けず、ガス事業者または有資格の施工事業者へ点検を依頼してください。
交換先は壁貫通型と屋外設置型で工事範囲が変わる
バランス釜からの交換先は、既存の浴室壁側の条件を活用しやすい壁貫通型のふろ給湯器と、浴室外へ本体を移す屋外壁掛型・屋外据置型の給湯器に大きく分けて考えられます。どちらが適しているかは、浴室の壁、外壁側のスペース、給水・給湯配管、追い焚き配管、ガス配管、電源の状態によって決まります。
| 交換先の考え方 | 主な工事内容 | 費用差が出る条件 |
|---|---|---|
| 壁貫通型のふろ給湯器 | 既存機器の撤去、新しい機器の設置、浴槽まわりや給排気部の処理、配管接続 | 既存の開口部や浴槽を活用できるか、機種が適合するか |
| 屋外壁掛型・屋外据置型 | バランス釜の撤去、浴室側の穴や周辺の補修、屋外への本体設置、給水・給湯・追い焚き配管の接続 | 配管の距離、屋外の設置場所、電源、既存配管の更新範囲 |
壁貫通型は、既存の浴室壁の開口部を利用できる場合があるため、屋外へ本体を移す方法より工事範囲を抑えられる可能性があります。しかし、既存の穴を必ず使えるとは限りません。開口の位置や大きさ、浴槽との関係、給排気方式、新しい機器の仕様が合わなければ、加工や補修が必要になります。
屋外設置型は、浴室内のバランス釜をなくし、台所や浴室の給湯を一般的な給湯器でまかなえるようにする方法です。一方で、本体を屋外へ移すための設置場所が必要です。浴室から屋外の給湯器までの配管を新設・延長する場合や、追い焚き機能を追加する場合には、既存の状態によって工事内容が増えます。
見積書では本体以外の費用項目を分けて確認する
見積もりを受け取ったら、合計金額だけでなく、何が含まれているかを確認します。一般的な給湯器交換では、既設機器の撤去・処分、取付、接続、試運転、操作説明などが基本工事に含まれることがあります。東京ガスが案内する2026年時点の基本工事費は、ふろ給湯器の場合、従来型49,500円、エコジョーズ53,900円(税込)です。ただし、これは同等交換に近い基本工事の目安であり、バランス釜から設置方式を変える工事の総額を示すものではありません。
見積書には、少なくとも次の項目が分かれているか確認しましょう。給湯器本体、リモコン、既存バランス釜の撤去・処分、浴槽の交換または既存浴槽の加工、給排気部や浴室壁の穴の処理、給水・給湯配管、追い焚き配管、ガス配管、電源・コンセント、屋外の架台や設置金具、保温・防水、試運転などです。「標準工事一式」とだけ書かれ、追加工事の条件が分からない見積もりは、他社と比較しにくいため、内訳を出してもらうと安心です。
東京ガスの据置型ふろ給湯器の販売価格には、戸建て向けで約15万~19万円という参考帯があります。ただし、号数、機能、高効率仕様、設置条件で変わり、バランス釜の撤去後の復旧や浴槽交換は別途になる場合があります。一般的な販売価格の参考として確認し、今回の工事総額と混同しないようにしましょう。
費用が上がりやすい追加工事とその理由
バランス釜からの交換で追加費用が発生しやすいのは、既存の設置状態をそのまま使えないケースです。たとえば、屋外設置型へ変更して配管を長く引き直す場合、給水・給湯配管だけでなく、追い焚き用の往き戻り配管も確認が必要です。配管を浴室の壁や床に通す方法、防水処理、保温の範囲によっても工事内容が変わります。
浴槽についても、既存浴槽を継続使用できる場合と、給湯器や循環金具との組み合わせが合わず交換・加工が必要になる場合があります。バランス釜を撤去したあとの浴室壁には、給排気トップや機器に関係する開口部が残る可能性があります。穴を塞ぐだけでよいのか、外壁側も含めて補修するのかは、現場の構造と仕上げによって判断されます。
屋外設置型では、本体を置ける場所があるかも重要です。壁掛けなら外壁の強度や取付位置、据置きなら地面や架台の状態、排気方向と周囲の離隔を確認します。設置場所が遠い、通路や共用部を通る、配管を隠す必要があるといった条件では、通常の交換より作業が複雑になることがあります。
「浴槽はそのまま」「穴は既存利用」「配管は追加なし」と決めつけず、見積書に各項目の扱いを明記してもらうことが、予想外の追加費用を防ぐポイントです。
給湯専用・追い焚き付きなど希望する機能も費用に影響する
交換前に、今後どのようにお湯を使いたいかを整理しておきます。浴室だけで給湯できればよいのか、台所や洗面所にも給湯したいのか、浴槽への湯はりや追い焚きを使いたいのかで、選ぶ機器と必要な配管が変わります。バランス釜からの変更を機器の置き換えだけで考えると、希望する給湯範囲と見積もり内容が合わなくなることがあります。
たとえば、台所給湯を新たに追加するなら、給湯器から台所までの給湯配管やリモコンの設置を確認します。追い焚きを希望するなら、浴槽側の循環金具、追い焚き配管、浴槽との適合が必要です。浴室内に新しいリモコンを付ける場合は、既存の配線や取付位置も確認対象になります。
号数や機能、高効率仕様を選ぶと本体価格や周辺工事が変わる可能性がありますが、家族人数だけで機種を決めるのは適切ではありません。現在のガス種、給水・給湯配管の状態、設置場所、同時使用の状況を施工事業者に伝え、対応機種を提案してもらいましょう。
賃貸・公営住宅・集合住宅は工事前の承認を確認する
賃貸住宅や公営住宅では、バランス釜や浴槽の所有者が入居者とは限りません。交換を依頼する前に、機器と浴槽の所有者、故障時の負担者、原状回復の範囲、指定業者の有無を管理者へ確認してください。入居者が自己判断で給湯器や浴槽を交換すると、退去時に撤去や復旧を求められる可能性があります。
分譲マンションなどの集合住宅では、給湯器の交換に管理組合への工事申請が必要な場合があります。外壁への機器設置、共用部に関係する配管、作業時間、搬入経路などにルールが設けられていることもあるため、見積もりと並行して管理規約や申請手続きを確認しましょう。管理者の承認前に業者へ工事日を確定させないことが大切です。
賃貸・公営住宅では、費用を比較する前に「誰が交換を決めるのか」「どこまで変更できるのか」を確認してください。補助制度を検討する場合も、住宅の所有形態と制度の対象条件を先に確認します。
資格・ガス種・現地確認を業者選びの基準にする
バランス釜の撤去・交換は、給排気部を伴う工事やガス接続工事が関係します。経済産業省は、特定ガス消費機器やその給排気部の工事に関係する資格、ガス接続工事の内容に応じた資格について整理しています。依頼先には、工事内容に必要な資格・体制があるか、都市ガスとLPガスのどちらに対応できるかを確認しましょう。
見積もり依頼時には、既存バランス釜のメーカー名・型番、浴槽全体、機器と浴室壁の接続部、浴室外壁、屋外側の設置候補場所、ガスメーターや配管が分かる写真を準備します。あわせて、ガス種、戸建て・賃貸・公営住宅・分譲の別、台所給湯の希望、追い焚きの希望、浴槽を残したいかを伝えると、現地調査前の認識違いを減らせます。
比較するときは、安い見積もりを選ぶだけでなく、機器の型番、工事範囲、追加料金が発生する条件、保証、資格・施工体制、管理者申請への対応を確認します。現地を見ずに総額だけを確定し、追加工事の条件を説明しない業者は慎重に判断してください。
交換前にそろえておきたい確認事項
相談前に、現在の不具合と希望を簡単に整理しておくと、必要な工事を判断しやすくなります。点火不良や異臭など安全に関わる症状がある場合は、写真撮影や比較よりも使用停止と点検を優先します。正常に使えていても、バランス釜をなくしたい、浴室外へ本体を移したい、台所でもお湯を使いたいなど、変更したい点を具体的に伝えましょう。
- 既存バランス釜のメーカー名・型番
- 浴槽、浴室内の機器、浴室壁の開口部の写真
- 浴室外壁と屋外の設置候補場所の写真
- 都市ガス・LPガスの別
- 浴槽を残すか、交換も検討するか
- 給湯専用か、湯はり・追い焚きも必要か
- 賃貸・公営住宅・分譲など所有形態と管理者の連絡先
最終的な費用は、既存機器の撤去範囲と新しい給湯器の設置条件を現地で確認してから判断します。複数社に依頼する場合も、同じ写真と同じ希望条件を渡し、見積書の内訳をそろえて比較すると、価格差の理由が分かりやすくなります。
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設置タイプ別の工事費込み価格も確認
壁掛け、据え置き、マンションPS設置では交換できる機種や工事内容が異なります。既設給湯器に近い設置タイプを確認してください。
相談前に型番と設置写真を確認
本体全体、型番シール、リモコン、本体下の配管、設置スペースを撮影しておくと、後継機や工事条件を確認しやすくなります。

無理な分解や自己修理はしない
ガス、水道、電気、排気に関わる内部作業は無理に行わず、異臭、ガス臭、水漏れ、異常燃焼などがある場合は使用を止めて専門業者へ相談してください。
相談から交換までの流れ
型番と設置状況を確認したうえで、交換機種・工事条件・費用を確認し、日程を調整して工事へ進みます。

よくある質問
バランス釜から給湯器へ交換すると、費用はいくらですか?
一律の総額では判断できません。給湯器本体と基本工事に加え、バランス釜の撤去、浴槽や給排気部の処理、給水・給湯配管、追い焚き配管、電源、屋外設置場所の工事が必要になる場合があり、現地条件で費用が変わります。
バランス釜の既存の穴はそのまま使えますか?
既存の開口部を活用できる場合はありますが、必ず使えるとは限りません。開口の位置や大きさ、浴槽との関係、新しい機器の仕様によって、加工や補修が必要になることがあります。
浴槽も交換しなければなりませんか?
必須とは限りません。新しい給湯器や循環金具との適合、既存浴槽の状態、バランス釜撤去後の納まりによって、既存浴槽を使える場合と交換・加工が必要な場合があります。見積もりで確認してください。
屋外設置型の給湯器へ変更すると、何の工事が必要ですか?
バランス釜の撤去に加え、屋外の本体設置、給水・給湯配管、必要に応じた追い焚き配管、浴室側の穴や周辺の補修、電源工事などを確認します。配管距離や設置場所によって工事範囲が変わります。
賃貸住宅でも自分で交換を依頼できますか?
先に所有者や管理者へ確認してください。バランス釜や浴槽の所有者、費用負担、原状回復、指定業者の有無、工事承認の手続きが関係します。分譲集合住宅でも管理組合への申請が必要な場合があります。
補助金を使って交換できますか?
バランス釜から給湯器へ交換すれば必ず対象になるわけではありません。2026年度の賃貸集合給湯省エネ事業は、既存賃貸集合住宅で対象の小型省エネ型給湯器へ交換する仕組みです。住宅の種類や工事内容など、制度の対象条件を確認してください。
交換・修理を決める前に確認したいこと
バランス釜から給湯器へ交換する費用は、本体価格だけでなく、給排気部・浴槽・追い焚き配管・給水給湯配管・電源・屋外設置場所の工事範囲で大きく変わります。壁貫通型なら既存開口を活用できる場合がありますが、屋外設置型へ変更する場合は配管延長や浴室側の穴補修などが加わることがあるため、現地調査を前提に見積もりを比較しましょう。
最終的には、現在の型番・使用年数・設置状況・必要機能をそろえ、同じ条件で工事込み総額を比較すると判断しやすくなります。

給湯器・ボイラーの修理・交換を相談する
型番、症状、使用年数、設置場所が分かる写真があると確認が進めやすくなります。

参考にした情報
メーカー・省庁・自治体などの公式情報を中心に確認しています。
- 〖公式〗東京ガスの給湯器交換|写真撮影でオンライン無料スピード見積もり|東京ガス
https://home.tokyo-gas.co.jp/housing/exchange/waterheater/index.html確認内容:製品仕様・交換条件・費用判断に関わる公式情報を確認しました。
- 給湯器の交換はいくら? 値段重視?機能重視?あなたに合った選び方 | 東京ガス
https://home.tokyo-gas.co.jp/column/boiler/0197/確認内容:製品仕様・交換条件・費用判断に関わる公式情報を確認しました。
- city.kyoto.lg.jp|自治体公式情報
https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000330/330284/%28shijuu%29gyoumusetumeisyo.pdf確認内容:製品仕様・交換条件・費用判断に関わる公式情報を確認しました。
- 東京ガス|公式資料(PDF)
https://home.tokyo-gas.co.jp/service/equipment/s_support/pdf/owners_yakkan.pdf確認内容:製品仕様・交換条件・費用判断に関わる公式情報を確認しました。
- 経済産業省|給湯省エネ2026事業の概要
https://kyutou-shoene2026.meti.go.jp/overview/確認内容:製品仕様・交換条件・費用判断に関わる公式情報を確認しました。
- 経済産業省|公式情報
https://chintai-shoene2026.meti.go.jp/assets/doc/faq_koukan_koji_chintai.pdf確認内容:製品仕様・交換条件・費用判断に関わる公式情報を確認しました。










