ただし、ガス料金の請求額全体が同じ割合で下がるわけではありません。基本料金やコンロ・暖房の使用分は給湯器を交換しても変わらないため、交換前後の給湯使用量と工事総額を分けて考えることが大切です。
まず確認したい結論
従来型からエコジョーズへ交換すると、同じ湯量・同じ設定温度なら給湯に使うガス使用量は理論上約16%減る可能性があります。ただし、実際のガス代は家族人数、シャワーや追いだきの回数、設定温度、ガス単価、基本料金、工事費によって変わるため、「毎月必ず何円下がる」「短期間で必ず元が取れる」とは言えません。
給湯器の交換でガス代が下がるのはどんな場合か
ガス給湯器の交換でガス代の変化を期待しやすいのは、現在使っている従来型の給湯器を、高効率ガス給湯器のエコジョーズへ交換するケースです。エコジョーズは、従来なら排気と一緒に外へ出していた燃焼排気中の熱を再利用し、水を温める仕組みを持っています。そのため、同じ量のお湯を同じ温度まで沸かす条件なら、給湯に必要なガス投入量を抑えられる可能性があります。
確認されている目安では、従来型の給湯熱効率は約80%、エコジョーズは約95%です。必要な熱量が同じだと仮定して単純に比較すると、ガス投入量は従来型より約16%少なくなる計算です。ただし、これは給湯部分のガス使用量を同じ条件で比べた理論上の目安であり、家庭のガス請求額がそのまま約16%下がるという意味ではありません。
交換で変わりやすいのは、給湯に使うガス使用量です。ガス料金全体では、基本料金やコンロ・暖房に使うガス分まで同じ割合で下がるわけではありません。現在の請求額から節約効果を考えるときは、給湯器だけでなく、ガスを何に使っているかを切り分ける必要があります。
従来型とエコジョーズの違いをガス代以外も含めて比べる
エコジョーズへの交換を検討するときは、効率の数字だけでなく、設置条件と工事総額も確認します。エコジョーズは高効率である一方、運転時にドレン水と呼ばれる凝縮水が発生するため、その排水経路が必要です。既設の給湯器が設置されている場所に排水先を確保できるかどうかで、選べる機種や必要な工事が変わる場合があります。
| 比較項目 | 従来型ガス給湯器 | エコジョーズ |
|---|---|---|
| 給湯熱効率の目安 | 約80% | 約95% |
| 給湯に使うガス | 同じ湯量・温度なら比較対象として多くなりやすい | 同じ条件なら抑えられる可能性がある |
| ドレン水 | エコジョーズのような排水対応は不要 | 排水経路が必要 |
| 見積もりで見る項目 | 本体・通常の交換工事 | 本体・交換工事・ドレン排水・必要な部材や追加工事 |
見積もりでは、本体価格だけを比べないでください。エコジョーズの場合は、ドレン排水工事、配管カバーや排気部材、設置場所の変更が必要か、既存配管を流用できるかなどを含めた金額で判断します。集合住宅では、共用部への排水や管理規約、工事の届出が関係することもあります。
同じ「エコジョーズ」でも、給湯のみかふろ給湯器か、号数はいくつか、設置方式は壁掛け・据置き・PS設置のどれかによって、選定条件と工事内容が異なります。見積もり依頼時は、給湯器本体の型番と設置場所の写真を用意すると、交換可否を確認しやすくなります。
実際のガス代を左右する使用条件
給湯器を高効率機種へ交換しても、家庭ごとのガス代は使い方によって大きく変わります。家族人数が多い、シャワーの時間が長い、浴槽に湯を張る回数が多い、追いだきを頻繁に使うといった家庭では、給湯に使う熱量そのものが増えます。機器の効率が上がっても、使用する湯量が増えれば請求額が下がりにくいことがあります。
設定温度も重要です。給湯温度を高くすると、水道水をより大きく温める必要があるため、ガス使用量が増えやすくなります。資源エネルギー庁は、食器洗い時の給湯設定を40℃から38℃へ下げる例で、年間ガス8.80m³、約1,430円の省エネ効果を示しています。この数値は特定の条件での例であり、すべての家庭に同じ効果が出るものではありませんが、交換後も温度設定が節約効果に関係することを示しています。
また、入水温も季節によって変わります。冬は水温が低く、同じ設定温度のお湯を作るために必要な熱量が増えます。夏と冬の請求額を単純に比べたり、交換前の一時期と交換後の別の時期だけで効果を判断したりすると、機種の差と季節変動を取り違える可能性があります。
交換前後のガス代を比べるなら、家族人数、入浴人数、シャワー時間、追いだき回数、給湯温度、ガス単価をできるだけそろえて確認するのが基本です。給湯器だけでなくコンロや暖房も同じガス料金に含まれる場合は、請求額全体ではなく、使用量の変化を見ながら判断します。
「毎月いくら下がるか」を判断するときの考え方
交換後の節約額を正確に事前確定するには、現在の給湯器の効率、使用量、入水温、設定温度、ガス料金単価などが必要です。現在の請求額だけを見て、「そのうち何割が給湯器によるものか」を正確に分けるのは難しいため、毎月の値下がり額を一律に示すことはできません。
判断の順番としては、まず現在の給湯器が従来型かエコジョーズかを確認します。次に、給湯器の型番、製造時期、号数、設置方式、家族の使用状況を整理します。そのうえで、交換候補の型番と工事総額を見積もり、給湯に使うガス使用量が下がる可能性と、初期費用の差を比較します。
高効率機種の追加費用を、ガス代の差額だけで短期間に回収できるとは限りません。給湯器の交換には、故障リスクの低減、湯温の安定、部品供給や修理対応への不安の解消といった、料金以外の判断材料もあります。反対に、設置条件によって追加工事が大きくなる場合は、節約効果だけを理由に機種を決めず、複数の構成を比較することが大切です。
「エコジョーズなら必ず元が取れる」とは判断せず、本体と工事の総額、現在の使用量、交換後に見込める給湯使用量を並べて比較してください。見積書では、機種名だけでなく、ドレン排水、配管、リモコン、排気部材、既存機器の撤去処分などが含まれているかを確認します。
交換前に型番と設置条件を確認する
給湯器の交換相談では、現在の機器と同じように見える製品を選ぶだけでは不十分です。本体に貼られた銘板や前面のラベルから、メーカー名、型番、ガス種、号数、設置方式を確認します。型番は、後継機種や設置可能な候補を絞る手掛かりになります。リモコンの種類や浴槽側の循環アダプターなども、ふろ給湯器では確認対象です。
屋外壁掛け型、据置き型、集合住宅のパイプスペース内に設置するPS型など、設置方式が変わると必要な部材や排気方法が変わります。エコジョーズへの交換では、さらにドレン水をどこへ排出するかを確認します。戸建てでも排水先の位置によっては配管工事が必要になり、集合住宅では管理規約や共用部の扱いが関係します。
写真を準備する場合は、給湯器本体の正面、型番ラベル、配管接続部、リモコン、周囲の壁や床、排気口の状況が分かるように撮影します。写真だけで設置可否を断定できない場合もありますが、現地調査前の候補整理や見積もり条件の確認には役立ちます。
黒煙、強い異臭、異音、漏水、湯温が急に不安定になるなどの症状がある場合は、ガス給湯器の使用を続けないでください。ガス栓や電源の扱いは状況に応じて無理に操作せず、メーカー、施工業者、ガス事業者へ点検を依頼してください。
修理と交換を分けて考える年数・症状の目安
ガス給湯器は、故障したら必ず交換しなければならないわけではありません。製造からの年数が短く、部品の供給があり、故障箇所が特定できる場合は、修理で使い続けられることがあります。一方、長期使用で不具合が繰り返される場合や、修理費用が高くなりそうな場合は、交換も含めて比較します。
一般家庭用ガス給湯器は、設計上の標準使用期間が10年とされることがあります。これは10年を超えた瞬間に使用できなくなるという意味ではありませんが、経年劣化による故障や事故のリスクを考える時期です。エラーが頻発する、湯温が安定しない、異音がする、漏水があるといった場合は、年数と症状を合わせて判断します。
黒煙・異臭・漏水など安全に関わる症状がある場合は、ガス代の節約よりも使用中止と点検を優先してください。修理か交換かを相談するときは、表示されたエラー、症状が出るタイミング、製造年、型番、直近の修理歴を伝えると、判断材料を整理しやすくなります。
見積もりでガス代と工事費を一緒に確認する
交換によるガス代の変化を検討するなら、見積書は本体価格だけでなく、設置後に必要な工事を含めた総額で確認します。エコジョーズではドレン排水工事が必要になるため、既存の排水先を利用できるのか、新たに配管するのか、集合住宅の規約確認や届出が必要なのかを業者に確認します。
比較する見積もりの条件は、同じ給湯能力、同じ設置方式、同等のリモコン構成にそろえます。安い見積もりでも、配管部材や排気部材、既存機器の撤去処分、試運転、追加工事が別料金だと、最終的な支払額が変わります。反対に、高効率機種の見積もりが高く見えても、必要な排水工事を含んでいる場合があります。
業者には、「現在の型番で交換できる機種」「従来型とエコジョーズの工事総額の差」「ドレン排水の方法」「追加費用が発生する条件」「現在の設置場所を変更する必要性」を確認します。ガス代については、家庭の使用条件を伝えたうえで、給湯部分に期待できる効果と、料金全体では変わらない部分を分けて説明してもらうと判断しやすくなります。
給湯器交換は、ガス代だけでなく、故障の頻度、安全性、設置可否、将来の修理負担を含めて決めるものです。型番・設置写真・使用年数・ガス料金の明細をそろえ、機種代と工事費を合わせた条件で比較すると、交換後の期待と実際の差を小さくできます。
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設置タイプ別の工事費込み価格も確認
壁掛け、据え置き、マンションPS設置では交換できる機種や工事内容が異なります。既設給湯器に近い設置タイプを確認してください。
相談前に型番と設置写真を確認
本体全体、型番シール、リモコン、本体下の配管、設置スペースを撮影しておくと、後継機や工事条件を確認しやすくなります。

無理な分解や自己修理はしない
ガス、水道、電気、排気に関わる内部作業は無理に行わず、異臭、ガス臭、水漏れ、異常燃焼などがある場合は使用を止めて専門業者へ相談してください。
相談から交換までの流れ
型番と設置状況を確認したうえで、交換機種・工事条件・費用を確認し、日程を調整して工事へ進みます。

よくある質問
給湯器をエコジョーズに交換するとガス代は必ず下がりますか?
必ず下がるとは言えません。従来型からエコジョーズへ交換し、同じ湯量・同じ設定温度で使う場合は、給湯に使うガス使用量が下がる可能性があります。ただし、基本料金やコンロ・暖房のガス使用分は変わらず、家族人数や使用量、ガス単価によって請求額は異なります。
エコジョーズでガス代は何%下がりますか?
従来型の給湯熱効率を約80%、エコジョーズを約95%として同じ熱量を比較すると、ガス投入量は理論上約16%少なくなる計算です。ただし、これは給湯部分の使用量に関する目安です。ガス料金全体が約16%下がる、毎月決まった金額が安くなるという意味ではありません。
エコジョーズへの交換でドレン排水工事は必要ですか?
エコジョーズは運転時にドレン水が発生するため、排水経路が必要です。既設の設置場所や排水先、戸建て・集合住宅の違いによって、追加工事や機種選定の確認が必要になります。見積もり時に、ドレン排水の方法と費用が工事総額に含まれるか確認してください。
給湯器の交換前に何を確認すればよいですか?
給湯器本体のメーカー名・型番・ガス種・号数・設置方式、製造時期、リモコンの種類、配管や排気口の状況を確認します。設置場所の写真も用意すると相談が進みやすくなります。エコジョーズを選ぶ場合は、ドレン水の排水先や、集合住宅の管理規約・届出の要否も確認します。
給湯器は修理と交換のどちらを選ぶべきですか?
製造からの年数、故障の内容、修理費用、部品供給の状況を合わせて判断します。一般家庭用ガス給湯器は設計上の標準使用期間が10年とされることがあり、長期使用で不具合が繰り返される場合は交換も比較します。黒煙、異臭、異音、漏水、湯温の急な不安定がある場合は使用を続けず点検を依頼してください。
交換・修理を決める前に確認したいこと
従来型からエコジョーズへ交換すると、同じ湯量・同じ設定温度なら給湯に使うガス使用量は理論上約16%減る可能性があります。ただし、実際のガス代は家族人数、シャワーや追いだきの回数、設定温度、ガス単価、基本料金、工事費によって変わるため、「毎月必ず何円下がる」「短期間で必ず元が取れる」とは言えません。
最終的には、現在の型番・使用年数・設置状況・必要機能をそろえ、同じ条件で工事込み総額を比較すると判断しやすくなります。

給湯器・ボイラーの修理・交換を相談する
型番、症状、使用年数、設置場所が分かる写真があると確認が進めやすくなります。

参考にした情報
メーカー・省庁・自治体などの公式情報を中心に確認しています。
- 経済産業省|公式情報
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/green_energy/newenergy/geco2_iinnkai/44doc3.pdf確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- 業界最小のドレン排水切替ユニットがフレキシブルな施工を実現 既築集合住宅用エコジョーズ 2月20日発売 | ニュースリリース | リンナイ株式会社
https://www.rinnai.co.jp/releases/2025/0127/確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- リンナイ|公式資料(PDF)
https://www.rinnai.co.jp/releases/2024/0304/images/releases20240304.pdf確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- リンナイ|公式資料(PDF)
https://www.rinnai.co.jp/releases/2025/0127/images/releases20250127.pdf確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- キッチン | 無理のない省エネ節約 | 家庭向け省エネ関連情報 | 省エネポータルサイト
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/howto/kitchen/index.html確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。
- リンナイ|ニュースリリース
https://www.rinnai.co.jp/releases/2024/0304/index_1.html確認内容:仕様・条件・安全上の注意など、記事内の事実確認に使用しました。










