ガス給湯器のリセットは、どの症状にも使える修理方法ではありません。まずガス臭や焦げ臭、水漏れ、異音、すすがないことを確かめ、メーカー名・型番・表示内容を記録したうえで、取扱説明書に再起動可能と記載された場合だけ行います。
安全上の異常がある、点火してもすぐ止まる、同じエラーが再発するといった場合は、表示を消すためにリセットを繰り返さず使用を中止してください。この記事では、安全確認から再起動、修理・交換を判断するまでを実際の確認順に解説します。
まず確認したい結論
最初にガス臭・焦げ臭・水漏れ・異音・すすを確認し、異常があればリセットせず使用中止です。異常がなければメーカー名、型番、エラー表示を記録し、ガス・水・電気の供給状況を確認します。そのうえで取扱説明書に案内がある場合のみ、リモコンの運転入・切、または指定条件での電源再投入を試してください。復旧しない場合や一度直っても再発する場合は、修理点検が必要です。
ガス給湯器をリセットする前に安全を確認する
給湯器のリモコンに見慣れない表示が出たり、急にお湯が出なくなったりすると、すぐに電源を入れ直したくなるかもしれません。しかし、リセットは一時的な制御の乱れを解消できる場合がある一方、燃焼不良や水漏れなどの異常そのものを直す操作ではありません。
ガス臭、焦げ臭、煙、すす、普段と違う大きな音、機器本体や配管からの水漏れがあるときは、リセットしないでください。使用を止め、火気を近づけず、ガス臭がある場合は電灯・換気扇・コンセントなどの電気スイッチにも触れないでください。窓や戸を開け、可能なら安全に操作できる範囲でガス栓を閉め、屋外など臭いのない場所から契約中のガス会社へ連絡します。
給湯器の外装が変形している、排気口の周囲が黒くなっている、排気口が物や積雪でふさがれている場合も使用を中止します。排気口に手や道具を入れたり、外装を外して内部を確認したりしてはいけません。燃焼部、ガス接続部、電装部、給排水配管の分解や調整は、利用者が行う確認の範囲を超えます。
異臭や外観異常がない場合は、給湯栓を閉めてから次の確認に進みます。エラーが出る直前に停電、断水、落雷、強風、凍結のおそれなどがなかったかも思い出しておくと、原因を切り分けやすくなります。
最初にメーカー名・型番・表示内容を記録する
エラー番号だけを見て、意味や解除方法を決めないことが重要です。同じ数字や記号でも、メーカー、シリーズ、燃料や機能の仕様によって内容が異なることがあります。別メーカーの検索結果で見つけた操作を、そのまま自宅の給湯器に試すのは避けてください。
- 給湯器本体の銘板にあるメーカー名と型番
- リモコンに表示された数字、英字、点滅の有無
- 台所・浴室など、どのリモコンに表示されているか
- お湯がまったく出ないのか、途中で水になるのか
- 発生した日時と、直前に行っていた操作
- ほかのガス機器や水道、家の電気が使えるか
エラー表示は消す前に写真を撮っておきます。本体の型番は前面または側面の銘板で確認できることが一般的ですが、高所や狭い場所にある場合は無理に近づかないでください。以前の取扱説明書、保証書、設置時の書類から確認できる場合もあります。
メーカー名と型番が分かったら、その機種の取扱説明書で表示内容を照合します。説明書に「運転スイッチを一度切る」「所定の確認後に再操作する」などの記載があれば、その条件と手順を優先してください。型番が読めない場合や説明書が見つからない場合は、推測で電源操作を重ねず、メーカー窓口や修理事業者へ表示内容を伝えるほうが安全です。
ガス・水・電気の供給状況を順番に確認する
給湯器本体の故障ではなく、ガス、水、電気のいずれかが供給されていないために停止することがあります。安全上の異常がないことを確認したら、触れてよい範囲だけを見ます。
| 確認項目 | 利用者が確認できること | 注意点 |
|---|---|---|
| ガス | ほかのガス機器が使えるか、給湯器のガス栓が通常の開位置かを目視する | ガス臭があれば点火確認をせず、電気スイッチにも触れない |
| 水 | 水道の蛇口から水が出るか、断水情報がないか、給水元栓が閉まっていないかを見る | 固着した元栓を工具で無理に回さない |
| 電気 | 停電の有無、分電盤の状態、プラグの抜けを目視する | ぬれた手で触らず、焦げや変色があるプラグは操作しない |
| ガスメーター | 遮断を示す表示がないかを確認する | 復帰は契約中のガス会社が示す手順に従い、原因不明のまま繰り返さない |
一か所の蛇口だけでお湯が出ないときは、給湯器ではなく、その水栓や温度調節部分に原因がある可能性もあります。安全上の問題がない場合に限り、台所や浴室など別の給湯栓でも同じ状態かを確認してください。すべての場所でお湯が出ない場合は、給湯器側または供給側の問題を疑います。
ガスメーターが遮断している場合、その復帰と給湯器のリセットは別の操作です。まずすべてのガス機器を止め、ガス臭がないことを確認したうえで、ガス会社が案内する復帰手順に従います。遮断理由が分からない、復帰しない、再び遮断する場合はガス会社へ相談してください。
リセットしてよい症状と基本的な再起動の流れ
利用者が再起動を試せるのは、安全異常がなく、ガス・水・電気の供給も確認でき、対象機種の取扱説明書に再操作の案内がある場合です。落雷や停電の復旧後、一時的な通信不具合、説明書に利用者による再操作が示された表示などが該当することがあります。
ただし、原因が分からない停止をすべて一時的な不具合と考えてはいけません。再起動は原則として一度だけ試し、同じ症状が戻ったら使用を続けないことが判断の目安です。
- 給湯栓をすべて閉め、給湯器の運転を停止します。
- 表示中のエラー、メーカー名、型番を写真またはメモで残します。
- ガス臭、水漏れ、異音、すすなどがないことをもう一度確認します。
- 取扱説明書に従い、まずリモコンの運転スイッチを切り、指定されたタイミングで入れ直します。
- 説明書が電源プラグの再投入を明示している場合に限り、その条件と待ち時間を守って操作します。
- 再起動後は低い負荷で給湯を確認し、点火状態、音、臭い、表示を見ます。
リモコンの入・切だけで表示が消え、正常にお湯が出た場合も、しばらく様子を見ます。途中で水になる、点火と停止を繰り返す、温度が大きく変動する、同じ表示が再び出る場合は、正常復帰とは判断できません。
リセットでエラーが消えても、故障履歴や異常の原因まで消えたとは限りません。発生日時と表示内容の記録は残し、再発時に修理窓口へ伝えられるようにしてください。
コンセントの抜き差しを一律に勧められない理由
ガス給湯器のリセット方法として、コンセントを抜いて入れ直す操作が紹介されることがあります。しかし、これは全機種・全症状に共通する手順ではありません。電源を切ることで保護動作や凍結予防機能が停止するほか、使用できていた機能まで動かなくなる可能性があります。
公式案内を比較しても、適用条件には違いがあります。パロマでは、凍結が解消した後の特定状況について、コンセントの抜き差しまたはリモコンの入・切による解除を案内する一方、凍結予防中は電源プラグを抜かないよう注意しています。ノーリツでは、すべてのリモコンの電源が入らず、お湯も使えない通信不具合のケースに限り、電源プラグを抜いて10~20秒後に再投入する案内があります。一部の機能が使えている場合は、電源を抜くことで状態が悪化する可能性があるとしています。
この違いからも、型番に対応した公式手順を優先する必要があります。プラグが見当たらない、固定配線されている、手が届きにくい、周辺がぬれている、プラグやコードが熱い・変色している場合は触れないでください。分電盤や機器内部の配線を外して再起動する行為も利用者が行う作業ではありません。
凍結が疑われるときの注意
気温低下の後にお湯も水も出ない場合は、配管の凍結が考えられます。電源をむやみに抜かず、気温上昇による自然解凍を待ちます。熱湯をかけたり、火や高温の暖房器具を当てたりすると、配管や部品を損傷するおそれがあります。
解凍後は、給湯器本体や配管接続部から水が漏れていないかを確認します。水漏れがあれば給水元栓を安全に閉められる範囲で閉め、使用を中止します。水漏れがなくても、再起動は取扱説明書の案内がある場合だけ行ってください。
リセットせず修理や緊急連絡を優先する症状
次の症状は、電源操作で表示を消すよりも安全確保を優先します。異常が収まったように見えても、そのまま使用を再開しないでください。
- ガス臭、焦げ臭、煙、すすがある
- 爆発音、うなり音、金属音など普段と違う音がする
- 点火しない、点火してもすぐ消える状態を繰り返す
- 給湯器本体、配管、接続部から水が漏れている
- 外装の変形、焼け、腐食、排気口周辺の黒ずみがある
- 電源コードやプラグが熱い、溶けている、変色している
- リセット後すぐに同じ表示が出る
- 運転中に体調不良を感じる
ガス臭や煙がある場合はガス会社の緊急窓口、火災のおそれがある場合は消防への連絡を優先します。それ以外の故障症状は、運転を止め、メーカーの修理窓口またはガス給湯器を扱う事業者へ相談します。
カバーを外して点火部を清掃する、ガス接続部を締め直す、内部配線をつなぎ直す、部品を自己判断で交換するといった作業は行わないでください。誤った作業はガス漏れ、感電、不完全燃焼、水漏れを招く可能性があり、資格や専門知識を持つ作業者による点検が必要です。
エラー表示が消えない・再発するときの考え方
エラーが消えない場合は、何度も運転スイッチや電源プラグを操作せず、表示を残したまま相談します。表示がいったん消えても、同じ使用条件で再発するなら、センサーが継続的な異常を検知している可能性があります。
メーカー未指定のエラー番号を、全メーカー共通の故障内容として説明することはできません。修理相談では「番号」だけでなく、「メーカー名・型番・どのリモコンに表示されたか」をセットで伝える必要があります。数字に見えても、故障ではなく時刻、設定温度、点検時期などの案内である場合があるためです。
「88」「888」と表示された場合
パロマの対象機種では、「88」または「888」は故障そのものを示す表示ではなく、点検時期を知らせる通知として案内されています。ただし、これはすべてのメーカー・機種に共通する意味ではありません。また、表示だけを解除しても点検を実施したことにはなりません。型番を確認し、対象機種の案内に従って点検または取り替えを検討します。
表示を消すことより、なぜ表示されたかを確認することが大切です。一時的に使用できても、設置から年数が経っている、過去にも停止した、温度が安定しないといった状態が重なる場合は、早めに点検を依頼してください。
直らないときは修理と交換をどう判断するか
安全上の問題がなく、取扱説明書どおりに一度再起動しても復旧しない場合は修理相談へ進みます。比較的新しく、故障箇所が限定され、補修部品が確保できる場合は修理できる可能性があります。一方、製造から長期間経過している、複数の不具合がある、部品供給が終了している、腐食や水漏れを伴う場合は交換も含めて検討します。
家庭用ガス給湯器では、製品や使用条件による違いはあるものの、設置から10年前後が点検・交換を考える一つの目安になります。実際の判断では、銘板の製造年、メーカーが示す設計上の標準使用期間、修理部品の保有状況、修理見積もり、今後必要な給湯能力や機能を確認します。年数だけで直ちに交換と決める必要はありませんが、古い機器で停止を繰り返す場合は、修理だけでなく交換費用も比較したほうが判断しやすくなります。
相談前に用意しておく情報
- メーカー名、型番、製造年、分かれば製造番号
- リモコンのエラー表示を撮影した写真
- 給湯器本体の正面写真と、周囲を含む設置状況の写真
- 配管接続部、排気方向、電源周辺が分かる写真
- 戸建て・集合住宅、屋外壁掛けなどの設置条件
- 発生日時、再起動の有無、再発回数
- お湯が出ない場所と、ほかのガス機器の使用可否
集合住宅では、設置場所や排気方法、管理規約によって交換できる機種や工事条件が変わる場合があります。共用廊下や高所に設置されている場合は、現地確認の要否も伝えます。写真だけで確定できないこともあるため、見積もり時には追加工事の可能性や現地調査の範囲を確認してください。
修理を依頼する場合も交換を検討する場合も、エラーを消すための操作履歴は重要です。「何回リセットしたか」「復旧後に何分程度使えたか」「どの給湯栓で再発したか」を伝えると、状況を切り分けやすくなります。安全確認、型番確認、取扱説明書どおりの再起動を一度だけ行い、直らなければ専門窓口へ相談するのが基本です。
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設置タイプ別の工事費込み価格も確認
壁掛け、据え置き、マンションPS設置では交換できる機種や工事内容が異なります。既設給湯器に近い設置タイプを確認してください。
相談前に型番と設置写真を確認
本体全体、型番シール、リモコン、本体下の配管、設置スペースを撮影しておくと、修理か交換か、後継機や工事条件を確認しやすくなります。

無理な分解や自己修理はしない
ガス、水道、電気、排気に関わる内部作業は無理に行わず、異臭、ガス臭、水漏れ、異常燃焼などがある場合は使用を止めて専門業者へ相談してください。
相談から交換までの流れ
型番と設置状況を確認したうえで、交換機種・工事条件・費用を確認し、日程を調整して工事へ進みます。

ガス給湯器 リセット方法でよくある質問
給湯器のコンセントを抜いても大丈夫ですか?
全機種で安全とは限りません。凍結予防機能が必要な状況や、一部のリモコン・機能が使えている状況では、電源を抜くことで不具合が悪化する可能性があります。対象型番の取扱説明書やメーカー案内に電源再投入の記載がある場合だけ、指定条件と待ち時間を守って操作してください。固定配線、ぬれ、プラグの変色や発熱がある場合は触れません。
リモコンの電源を入れ直すだけで直りますか?
停電復旧後などの一時的な制御の乱れであれば、取扱説明書に従った運転スイッチの入・切で復旧する場合があります。ただし、燃焼不良、部品故障、水漏れ、ガスや水の供給停止はリモコン操作では直りません。再起動は一度だけとし、復旧しない場合や再発する場合は修理を依頼してください。
エラーが消えたら、そのまま使い続けてもよいですか?
異臭、異音、水漏れ、すすなどがなく、お湯の温度と燃焼が安定しているかを確認してください。エラーが消えても原因が解消したとは限りません。点火してすぐ消える、途中で水になる、同じ表示が戻る場合は使用を中止します。エラー番号と発生日時の写真やメモも残しておきましょう。
「88」「888」の表示は故障ですか?
パロマの対象機種では、故障表示ではなく点検時期を知らせる通知として案内されています。ただし、すべてのメーカーや機種に共通する意味ではありません。表示の解除だけで点検が済むわけではないため、メーカー名と型番を確認し、対象機種の案内に従って点検または取り替えを検討してください。
リセットしてもお湯が出ないときは、修理と交換のどちらですか?
比較的新しく故障箇所が限定され、補修部品がある場合は修理できる可能性があります。製造から長期間経過している、停止を繰り返す、複数の不具合や腐食・水漏れがある、部品供給が終了している場合は交換も比較します。メーカー名、型番、製造年、エラー写真、設置状況の写真を用意して相談すると判断が進みやすくなります。
まとめ
ガス給湯器のリセットは、ガス臭・焦げ臭・水漏れ・異音・すすがないことを確認し、メーカー名と型番、エラー表示を記録したうえで、取扱説明書に案内された場合だけ行います。リモコンの入・切やコンセントの再投入を、全機種共通の方法として試してはいけません。
再起動しても直らない、同じ表示が戻る、点火後すぐ消える場合は使用を中止し、修理を依頼してください。設置から年数が経っている場合は、修理費用、部品の有無、製造年、今後必要な能力を確認し、交換も含めて比較するのが現実的です。

給湯器の修理・交換を相談する
現在の型番、表示内容、症状、設置場所が分かる写真があると確認が進めやすくなります。

参考にした公式情報
確認日:2026-08-21。仕様・操作・価格・制度は機種や時期によって変わるため、詳細は各公式ページをご確認ください。











