「給湯器の下から水が出ている。これはオーバーフロー?それとも水漏れ?」と不安になった場合、最初に見るべきなのは水の量よりもどこから、いつ、水が出ているかです。
給湯器から見える水には、故障ではない排水もあります。たとえばエコジョーズは燃焼時にドレン水を排出します。また、機種によっては機器内の圧力が高くなった際、過圧防止安全装置の働きで水抜き栓から水滴が落ちることがあります。
一方で、本体ケースの中から水が流れ出る、配管接続部から止まらず漏れる、給湯器を使っていないのに水が出続ける場合は、正常排水ではなく修理が必要な水漏れを疑います。
この記事では「オーバーフロー」という言葉だけで判断せず、正常な排水・過圧防止による水滴・配管漏れ・本体内部の水漏れを分けて確認し、修理と交換の判断目安まで整理します。
給湯器のオーバーフローは水漏れ?最初に見る4か所
給湯器の下に水があるからといって、すべて故障とは限りません。ノーリツ公式も、水が出る場所によって対応を分けています。
| 水が出ている場所 | 考え方 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 本体ケース・本体内部 | 給湯器本体の故障を疑う | 使用を止めて修理相談 |
| 給水・給湯・追いだき配管 | 配管・接続部の破損を疑う | 施工店・配管業者へ相談 |
| エコジョーズのドレン配管 | 燃焼時の排水なら正常 | 量・排水経路・エラーを確認 |
| 水抜き栓 | 使用後の水滴なら過圧防止の場合あり | 未使用時も出続けるなら修理相談 |
「下から水が出た=オーバーフロー故障」と決めず、水の出口を確認することが最初の切り分けです。
日本ガス石油機器工業会は、給湯器本体から水漏れしている場合は使用を中止して点検・修理を依頼するよう案内しています。水漏れしたままガス給湯器を使い続けると、漏れた水がバーナーへかかり不完全燃焼につながるおそれがあります。
「オーバーフロー」と呼ばれる水は原因が一つではない
エコジョーズのドレン水
エコジョーズは排気熱を再利用する高効率給湯器で、その仕組み上、燃焼すると結露水であるドレン水が発生します。ノーリツ公式でも、エコジョーズは燃焼過程でドレン水を排水すると案内しています。指定されたドレン配管の先から運転中に水が出るだけなら、故障とは限りません。
水抜き栓・過圧防止安全装置からの水滴
給湯器内部の圧力が高くなったとき、過圧防止安全装置の働きによって水抜き栓から水滴が落ちる機種があります。ノーリツでは、使用後に水滴が落ちる場合は故障ではないと案内する一方、給湯器を使用していないときも常に水が出ている場合は修理が必要としています。
本体内部から漏れて下へ流れている
給湯器の外から見ると「下の穴から排水している」ようでも、内部の熱交換器・接続部・弁類などから漏れた水が本体下部へ流れている場合があります。本体ケース内から水が出ている場合は、正常排水として扱わず点検が必要です。
外部配管の水漏れ
給水管・給湯管・追いだき配管・接続部から漏れている場合は、給湯器本体ではなく配管側が原因のことがあります。配管保温材の中を水が伝って別の場所から落ちることもあるため、濡れている一番下だけで原因箇所を判断しません。
自分で確認するなら「触る」より写真を撮る
- メーカー・型番
- 給湯器を使っている時だけ漏れるか
- 使っていなくても漏れ続けるか
- 水滴か、流れ続ける量か
- 本体ケース・配管・ドレン・水抜き栓のどこか
- リモコンのエラー番号
- 使用年数
- 凍結した直後ではないか
自分で行うのは、リモコン表示の確認と外観撮影、危険なく操作できる範囲の止水までにします。本体カバーを開ける、弁を分解する、ドレン配管をふさぐ、水抜き栓を強く締め込むといった作業は避けてください。

写真は、水が落ちている場所だけを大きく撮るより、給湯器全体が分かる1枚+水が出ている部分の近接写真を用意すると判断しやすくなります。エコジョーズなら「排水」「ドレン」と表示された配管があるかも確認します。
正常なドレン排水と修理が必要な水漏れの見分け方
運転中だけドレン配管から出る
エコジョーズが燃焼しているときに、指定されたドレン排水管から水が出るのは正常な動作です。パロマの資料でも、エコジョーズは燃焼時にドレンが発生し排水される構造が示されています。
使用後に水抜き栓から少量の水滴
過圧防止安全装置が作動して水滴が落ちる場合があります。短時間の少量滴下で、その後止まるのであれば直ちに故障とは限りません。
使用していないのにポタポタが止まらない
給湯器を長時間使っていないのに、水抜き栓や本体から水が出続ける場合は点検対象です。正常な一時排水とは分けて考えます。
本体ケースから染み出す・流れ出す
ノーリツ公式は、本体の箱から水が漏れ出ている場合は修理が必要と案内しています。熱交換器・内部配管・弁類など原因は複数あるため、外から見ただけで部品を決めません。
ドレン配管の途中から漏れる
ドレンが出ること自体は正常でも、ドレン配管の途中が割れて水が漏れている場合は配管側の不具合です。排水口から正常に排出されているのか、配管の接続部・亀裂から漏れているのかを分けます。
エラー29・290・291などが同時に出る
エコジョーズでは中和器・ドレン排水系の詰まりや排水不良がエラーに関係する機種があります。ノーリツでは290・291などについて、ドレン配管や中和装置の詰まり等を原因候補として案内しています。機種によりエラーの意味が異なるため、必ず型番に対応する取扱説明書・メーカー情報を確認します。
交換する場合は現在の設置方式も確認する
内部水漏れなどで交換する場合でも、設置場所に合わない給湯器を選ぶことはできません。壁掛け・据置・マンションPS、前方排気など、現在の設置方式を確認します。
エコジョーズからエコジョーズへ交換する場合は、既存ドレン排水の状態も確認します。正常なドレン配管を「水漏れするから不要」と塞ぐことはできません。
水漏れの修理見積もりで確認したい費用
修理費は、漏水箇所が本体内部か外部配管か、交換部品が供給されているか、出張点検が必要かで変わります。見積もりでは部品代・作業費・出張費・配管補修・本体交換になった場合の総額を分けて確認します。

10年前後使っている給湯器なら、修理費だけでなく交換した場合の価格も同時に確認しておくと、修理後すぐ別の部品が故障するリスクまで含めて判断できます。
修理で済みやすい場合と交換を比較したい場合
修理で済みやすいケース
使用年数が比較的浅く、水漏れ箇所が外部配管・接続部・交換可能な一部部品に限定され、他の故障が出ていない場合は修理で復旧できる可能性があります。
交換も比較したいケース
使用10年前後を目安に長期間使っている、本体内部から漏れている、以前にも別の部品を修理している、エラーが繰り返す、腐食が目立つ、部品供給が終了している場合は本体交換も比較します。JGKAも長期使用の目安として10年程度を挙げ、点検を案内しています。
凍結後の水漏れは配管破損も疑う
寒波のあと、解凍してから急に水が漏れ始めた場合は、凍結による配管・部品破損の可能性があります。水が出ない状態から自然解凍した直後などは、給湯器本体と外部配管の両方を確認します。
漏水量が増えているなら放置しない
最初は数滴でも、日を追うごとに量が増えている場合は劣化が進行している可能性があります。「バケツを置けば使える」と継続使用せず、点検を依頼してください。
ガス臭・焦げ臭さ・異音を伴う場合
水漏れだけでなくガス臭、焦げ臭いにおい、異常音、故障表示などがある場合は使用を中止します。内部に触らず、販売店・施工店・メーカーなどへ相談します。

水が出ているときにやらない方がよいこと
- ドレン配管を栓やテープでふさぐ
- 本体カバーを外して漏水箇所を探す
- 安全弁・水抜き栓を分解する
- 濡れた電装部に触れる
- 配管ナットを力任せに締め直す
- 水漏れしたまま長期間使い続ける
エコジョーズのドレンは機器の構造上必要な排水です。詰まり・凍結・施工不良が疑われる場合も、排水口をふさぐのではなく施工状態を確認します。
給湯器本体から明らかな水漏れがある場合は使用を中止し、点検・修理を依頼してください。JGKAも、本体水漏れのまま使用を続けると不完全燃焼につながるおそれがあるとして注意を呼びかけています。

給湯器から水が出ていて、正常か故障か分からない方へ
「給湯器の下が濡れている」「水抜き栓からポタポタする」「ドレンなのか漏水なのか分からない」「本体から水が流れてきた」という場合は、水の出ている位置と型番から確認します。

ご相談時は、メーカー・型番・使用年数・水が出る位置・使用中だけか常時か・エラー番号を分かる範囲でお知らせください。
修理か交換かは、漏水箇所・年式・部品供給状況・他の故障症状を確認し、修理費と交換総額を比較して判断します。
給湯器のオーバーフロー・水漏れでよくある質問
給湯器の下から水が出ています。故障ですか?
水が出る場所によります。エコジョーズのドレン配管から燃焼時に出る水や、使用後に水抜き栓から少量滴下する水は正常な場合があります。本体ケースからの漏水や常時止まらない水は点検が必要です。
エコジョーズから水が出るのは普通ですか?
燃焼時にドレン水が発生するため、指定されたドレン配管から排水されるのは正常です。配管途中から漏れている、排水できずエラーが出る場合は確認が必要です。
水抜き栓からポタポタするのは故障ですか?
機器内の圧力が高くなった際、過圧防止安全装置の働きで使用後に水滴が出ることがあります。ただし給湯器を使用していないときも常に水が出る場合は修理を相談してください。
本体の中から水が出ています。使い続けてもいいですか?
使用は中止して点検を依頼してください。給湯器本体からの水漏れは修理対象で、水が燃焼部へかかると不完全燃焼につながるおそれがあります。
オーバーフローの水を止めるためドレン配管をふさいでもいいですか?
ふさがないでください。エコジョーズのドレンは必要な排水です。排水量が異常、詰まり、凍結、エラーがある場合は配管・中和器を含めて点検します。
凍結のあとから水漏れしています。給湯器が壊れていますか?
給湯器内部または外部配管が凍結で破損した可能性があります。自然解凍後に水漏れが始まった場合は使用を止め、水が出る位置を確認して点検を依頼してください。
修理と交換はどちらがよいですか?
年式が浅く漏水箇所が限定されていれば修理できる場合があります。10年前後使用している、本体内部の腐食、複数故障、部品供給終了などがある場合は交換費も比較します。
写真だけで水漏れ箇所を確認できますか?
本体全体、型番、給湯器下部、水が出ている部分、配管、リモコンの写真で原因候補を絞れる場合があります。内部漏水などは現地点検が必要です。
まとめ
給湯器の「オーバーフロー水漏れ」は、水が見えるというだけでは故障かどうか判断できません。エコジョーズのドレン排水、水抜き栓の過圧防止、本体内部漏水、外部配管漏れを分けて確認します。
使用中だけ指定された排水口から出る水なのか、給湯器を使っていないときも止まらない水なのか、本体ケースから漏れているのかを確認すると判断しやすくなります。本体からの水漏れが疑われる場合は使用を中止し、修理・交換を相談してください。
2026年8月12日に確認したメーカー・業界団体の公式情報
- ノーリツ 給湯機器:水漏れしている
- ノーリツ 給湯機器の水抜き栓からお湯や水が出る
- ノーリツ 給湯機器:エコジョーズ
- 日本ガス石油機器工業会 ガス給湯器・屋外設置式の安全な使い方
- 日本ガス石油機器工業会 ガス温水機器の日常点検
- パロマ 冬季の給湯器・配管の凍結について
水が出る位置や正常排水の仕組みは機種によって異なります。最終判断は現在の型番に対応する取扱説明書・メーカー情報と現地状態を確認してください。











