ただし、中和器は給湯器本体の内部部品です。使用者が確認できるのはエラー番号や型式、周辺の状態までで、カバーを外したり部品を取り外したりする作業は避けてください。交換が必要になる表示、費用の見方、本体交換と比較する判断材料を整理します。
まず確認したい結論
中和器の交換は、エラー920なら早めにメーカーまたは給湯器修理業者へ相談し、930なら原則として交換完了まで使用を止める対応です。中和器の取り外しや本体内部の作業は自分で行わず、型番・エラー表示・設置状況を伝えて見積もりを確認してください。
中和器は何をする部品か
中和器は、エコジョーズやエコフィールで発生するドレン水を処理する部品です。これらの給湯器は燃焼排気から熱を回収する際にドレン水が生じますが、その水は酸性です。中和器の内部にある炭酸カルシウムなどの中和剤を通すことで、排出されるドレン水を中性付近にして、ドレン配管から流せる状態にします。
中和器は、給湯器本体とは別に機能する消耗部品ですが、一般の使用者が簡単に交換できる部品ではありません。中和性能の寿命判定は、単純に「設置から何年経過したか」だけで決まるのではなく、ガス使用量などの使用熱量の積算をもとに行われます。そのため、同じ時期に設置した機器でも、使用状況によって表示される時期は変わります。
中和器はすべての給湯器に搭載されているわけではありません。エコジョーズやエコフィールなど、ドレン水を発生させるタイプかどうかを、給湯器の型式や取扱説明書で確認してください。
「920」と「930」は何が違うのか
中和器に関係する表示として、リンナイや長府製作所では「920」「930」が案内されています。一般的な位置づけは、920が中和剤の寿命に近づいたことを知らせる予告・警告、930が中和器の寿命到達などによる機能停止です。ただし、エラーコードの意味や表示の仕方はメーカー・型式によって異なるため、すべての機器に同じ内容を当てはめることはできません。
920が表示されている場合は、機器が動いていても中和器の交換を先延ばしにせず、早めに修理を依頼します。920の段階で「あと何日使える」「何か月は必ず使える」とは断定できません。表示後の使用可能期間や、再点火した場合の挙動は、機器の仕様や状態によって異なるためです。
930が表示された場合は、給湯器が使用できなくなる案内が一般的です。930では、原則として中和器の交換または必要な修理が完了するまで使用しないと考え、リモコン操作を繰り返したり、内部を確認するために本体を開けたりしないでください。
| 表示の例 | 意味の目安 | 取るべき対応 |
|---|---|---|
| 920 | 中和剤の寿命が近いことを知らせる予告・警告 | 型式と表示を確認し、早めに交換を相談する |
| 930 | 中和器の寿命などにより機能が停止した状態 | 原則として使用を止め、修理・交換を依頼する |
中和器だけの交換で済むケースと本体交換を考えるケース
中和器だけの交換を優先して相談しやすいのは、表示が中和器関連に限られていて、給湯器本体に別の不具合が見られない場合です。たとえば、異音・水漏れ・燃焼不良などがなく、設置からそれほど年数が経っていない機器であれば、まず中和器交換の可否と費用を確認する流れが現実的です。
一方で、使用開始から約10年を超えている、過去に複数回の修理をしている、給湯温度が安定しない、着火しにくい、水漏れや異音もあるという場合は、中和器交換だけでなく給湯器本体の交換見積もりも比較してください。リンナイはガス給湯器の設計上の標準使用期間を10年としており、補修用性能部品の最低保有期間は製造打切後7年です。これはすべての機器の交換時期を一律に決める数字ではありませんが、修理を続けるか本体を更新するかを考える際の材料になります。
また、中和器を交換しても、別の部品故障や本体の劣化が原因で不具合が残ることがあります。業者には「中和器だけの修理」と「本体交換」の両方を相談し、修理後にどの程度の範囲が改善する見込みなのか、追加故障が見つかった場合の扱いも確認しましょう。
「中和器の表示だから、中和器だけを替えれば必ず直る」とは限りません。型式、設置年、他のエラー、燃焼状態、部品の供給状況によって対応が変わります。
中和器交換の費用はどこまで含まれるか
中和器交換の費用は、部品代だけでなく、技術料、出張費、故障診断料などを含めて考えます。リンナイが920に関して示している修理料金の目安は、税込12,600~34,500円です。ただし、この金額は全メーカー・全機種・全設置条件に共通する確定価格ではありません。実際の金額は、型式や設置状態、作業内容によって変わります。
訪問後に修理を行わない場合でも、出張費や故障診断料がかかることがあります。また、給湯器が高所や狭い場所に設置されている、作業のために機器を脱着する必要がある、別の部品にも不具合が見つかるといった場合は、追加費用が発生する可能性があります。
依頼前には、次の点を見積もりの範囲として確認してください。中和器の部品代、交換作業料、出張費、診断料、既存部品の処分費、追加作業が必要になった場合の連絡方法です。電話で金額を聞く場合も、「表示されたエラーの修理費」だけなのか、「訪問して診断した場合の費用」まで含むのかを分けて確認すると、請求額とのずれを抑えやすくなります。
本体交換も検討する年数の機器では、中和器修理の見積もりだけで決めず、給湯器本体の交換費用も同時に確認します。修理費が本体交換費用の一部に充当されるか、キャンセル時に費用が発生するかは業者ごとに異なるため、契約前に確認が必要です。
自分で確認してよいことと、触ってはいけないこと
使用者が行ってよいのは、給湯器の状態を業者へ正確に伝えるための確認です。リモコンに表示されたエラー番号を撮影する、本体の銘板から型式・製造番号を控える、給湯器の設置場所と周囲を撮影する、排水口やドレン配管に明らかな詰まり・漏水がないかを目視する、といった範囲にとどめてください。
銘板は本体側面や前面などに貼られていることがありますが、撮影のためにカバーを外す必要はありません。エラー表示は一度消えても、再表示することがあります。表示が消えた場合も、覚えている番号や表示された時刻を伝え、自己判断で修理完了としないようにします。
本体のカバーを外す、中和器を取り外す、配線・ガス配管・給水給湯配管を触る作業は行わないでください。ガス給湯器の工事や内部修理には専門的な知識・資格が必要です。水漏れ、異臭、異音、燃焼不良などがある場合は、使用を止めてメーカーまたは修理業者へ連絡します。
排水口を目視する場合も、部品を突いたり、薬剤や工具を入れたりしないでください。ドレン水が流れない原因が中和器なのか、配管側なのか、別の故障なのかは外観だけでは判断できません。見える範囲の確認にとどめ、改善しない状態で使用を続けないことが重要です。
修理依頼の前に準備する情報
中和器交換の相談をスムーズにするには、業者が機器を特定できる情報をまとめます。最低限、メーカー名、型式、製造番号、エラー番号、表示が出た日時、現在お湯が使えるかを伝えます。型式は、リモコンの品番ではなく、給湯器本体の銘板に記載されている機器型式を確認してください。
加えて、給湯器が屋外壁掛け・据置・集合住宅のパイプシャフト内など、どのように設置されているかを伝えます。本体全体、銘板、リモコン表示、周辺の配管や排水口を撮影しておくと、訪問前に作業条件を判断しやすくなります。高所、狭所、屋内設置、機器の前に物がある場合は、隠さず伝えてください。
賃貸住宅の場合は、先に管理会社や貸主へ連絡します。給湯器が備え付けの場合、修理業者の指定や費用負担のルールがあるため、自己判断で交換契約を結ぶと手続きが複雑になることがあります。持ち家でも、メーカー修理を依頼するのか、給湯器修理業者に相談するのかを決め、見積もりに含まれる作業範囲を確認してから依頼しましょう。
中和器交換を依頼するときの判断
中和器の寿命表示は、給湯器を長く使っているときに初めて現れる不具合とは限りません。使用熱量の積算によって判定されるため、設置年数だけで交換時期や残りの使用期間を決めることはできません。920が出たら早期交換を相談し、930なら原則として使用を止める、という表示段階に応じた対応を基本にします。
費用面では、修理料金の目安だけでなく、出張・診断・追加作業の条件を確認します。機器が比較的新しく、中和器関連以外に問題がなければ部品交換を検討しやすい一方、約10年を超えている、故障が重なっている、部品供給に不安がある場合は、本体交換との比較が必要です。
自分でできるのは、エラーと銘板情報、設置状況を記録するところまでです。中和器は給湯器の内部でドレン水を処理する重要な部品なので、内部に手を入れず、メーカーまたは給湯器修理業者へ型式と表示を伝えて、交換だけで済むのか、本体交換も含めて検討すべきかを確認してください。
あわせて確認したい関連記事

設置タイプ別の工事費込み価格も確認
壁掛け、据え置き、マンションPS設置では交換できる機種や工事内容が異なります。既設給湯器に近い設置タイプを確認してください。
相談前に型番と設置写真を確認
本体全体、型番シール、リモコン、本体下の配管、設置スペースを撮影しておくと、後継機や工事条件を確認しやすくなります。

無理な分解や自己修理はしない
ガス、水道、電気、排気に関わる内部作業は無理に行わず、異臭、ガス臭、水漏れ、異常燃焼などがある場合は使用を止めて専門業者へ相談してください。
相談から交換までの流れ
型番と設置状況を確認したうえで、交換機種・工事条件・費用を確認し、日程を調整して工事へ進みます。

よくある質問
中和器のエラー920が出たら、すぐに給湯器は使えなくなりますか?
920は中和剤の寿命が近いことを知らせる予告・警告として案内されることがあります。しばらく動作する機器もありますが、メーカーや型式によって表示内容や停止までの期間が異なるため、「必ず何日使える」とは言えません。早めに中和器交換を相談してください。
エラー930が表示された場合はどうすればよいですか?
930は中和器の寿命などにより機能が停止した状態として案内されることがあります。原則として、交換や必要な修理が完了するまで使用を止め、メーカーまたは給湯器修理業者へ連絡します。
中和器は自分で交換できますか?
自分での交換は避けてください。中和器は給湯器本体の内部部品で、作業にはカバーの取り外しや配線などへの接触を伴う可能性があります。使用者はエラー番号、銘板の型式・製造番号、設置状況の確認までにとどめてください。
中和器交換の費用はいくらですか?
リンナイが920に関して示している修理料金の目安は税込12,600~34,500円です。ただし、全機種共通の確定価格ではなく、出張費・診断料・設置条件による追加費用が別にかかる場合があります。依頼前に費用の内訳を確認してください。
中和器だけでなく給湯器本体も交換したほうがよいですか?
使用開始から約10年を超えている、異音・水漏れ・燃焼不良など別の症状がある、修理を繰り返している場合は、本体交換の見積もりも比較するのが実務的です。比較的新しく、中和器関連の表示だけであれば、中和器交換を優先して相談しやすい傾向があります。
修理依頼時に何を伝えればよいですか?
メーカー名、給湯器本体の型式・製造番号、エラー番号、表示された日時、お湯が現在使えるか、設置場所の状況を伝えます。本体全体、銘板、リモコン表示、周辺の配管や排水口の写真を準備すると、作業条件の確認に役立ちます。
交換・修理を決める前に確認したいこと
中和器の交換は、エラー920なら早めにメーカーまたは給湯器修理業者へ相談し、930なら原則として交換完了まで使用を止める対応です。中和器の取り外しや本体内部の作業は自分で行わず、型番・エラー表示・設置状況を伝えて見積もりを確認してください。
最終的には、現在の型番・使用年数・設置状況・必要機能をそろえ、同じ条件で工事込み総額を比較すると判断しやすくなります。

給湯器・ボイラーの修理・交換を相談する
型番、症状、使用年数、設置場所が分かる写真があると確認が進めやすくなります。

参考にした情報
メーカー・省庁・自治体などの公式情報を中心に確認しています。
- 点検・取替の目安 | 商品に関する大切なお知らせ | リンナイ株式会社
https://www.rinnai.co.jp/safety/replace/確認内容:部品の役割・交換時の注意・メーカー案内を確認しました。
- リンナイ|安全・交換に関する公式案内
https://www.rinnai.co.jp/safety/system/info/pay/確認内容:部品の役割・交換時の注意・メーカー案内を確認しました。
- 給湯器|エラーコード920 が表示 | リンナイ|Q&A(よくあるお問い合わせ)
https://faq.rinnai.co.jp/faq/show/2279?site_domain=default確認内容:部品の役割・交換時の注意・メーカー案内を確認しました。
- ノーリツ|公式サイト
https://reg.noritz.co.jp/nr/searchTop.do確認内容:部品の役割・交換時の注意・メーカー案内を確認しました。
- ノーリツ|公式サイト
https://faq.noritz.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%94%E3%81%A8%E3%81%AE%E6%95%85%E9%9A%9C%E9%83%A8%E5%93%81%E3%80%90920%E3%80%91-684b8ee8dd75b5255977273c確認内容:部品の役割・交換時の注意・メーカー案内を確認しました。
- gas.or.jp|公式情報
https://www.gas.or.jp/collabo/defactken/pdf/drain_leaflet.pdf確認内容:部品の役割・交換時の注意・メーカー案内を確認しました。











